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「将来、子どもや孫が困らないように口座を作ってお金を貯めてあげよう」
「家族の名前で保険や株を用意しておけば、いざというときに役立つはず」
そんな、家族を想う温かい気持ちから始めた準備が、実は将来、思わぬ「相続税のペナルティ」を引き起こしてしまうかもしれないことをご存じでしょうか 。
税金のルールでは、通帳や契約書に書かれた「名前(名義)」よりも、「そのお金を実際に稼いで、管理していたのは誰か」という実態が重く見られます 。このように、名前は家族でも、実質的には亡くなった方の持ち物とみなされる財産のことを「名義財産(めいぎざいさん)」と呼びます 。
この記事では、名義財産の代表格である「名義預金」「名義保険」「名義有価証券」とは、どのような財産かをわかりやすく解説します!
実務上、注意しなければならない名義財産には、大きく分けて次の3つがあります 。それぞれの特徴をシンプルにまとめました。
専業主婦の妻の口座に、夫が生活費の余りを貯めている。
親が子どもに内緒で口座を作り、通帳や印鑑 を自分で管理したまま貯金している 。
→亡くなった日時点の**「預金残高」**が、そのまま相続税の対象になります 。
保険の契約者は子どもになっているけれど、その保険料を支払っているのは、実際には親(亡くなった方)であるケース 。
→親が亡くなった日時点の**「解約返戻金(かいやくへんれいきん)の価値」**などが相続税の対象になります 。
よくあるケース
家族の名前を借りて株式や投資信託、国債などを購入しているケース。
会社の設立時に、名前だけを家族や従業員から借りて発行した株(名義株)など 。
→株式や投資信託などの**「亡くなった日の評価額」**が、そのまま相続税の対象になります。
「これは名前を借りているだけで、実質は亡くなった人の財産だ」と判断するとき、次の5つのポイントを総合的にチェックしています。
「もらう側」の年齢や収入から考えて、不自然に大きな金額が貯まっている場合、その元手(原資)となったお金を実際に稼いだのは誰かが問われます。
家族名義の通帳やカード、銀行印、保険証券などを、亡くなった方が自分の引き出しや金庫にしまい込んで、一人で管理していなかったかが重要です 。
法律上、プレゼント(贈与)は「あげます」「もらいます」というお互いの約束があって初めて成立します 。そのため、子どもや孫が「そんな口座があるなんて知らなかった!」という状態であれば、贈与は成立しておらず、亡くなった方の財産と判断されます 。
預金の利息や、株式から出る配当金を、実質的に誰が使っていたかがチェックされます 。名義人の口座に振り込まれても、すぐに親の口座に移されて生活費などに消えていた場合、実質的な持ち主は親だとみなされます 。
銀行に登録している印鑑が、亡くなった方のメインの印鑑と同じだったり、口座を開くときの手続き書類の筆跡が亡くなった方のものだったりすると、「名義を借りただけ」と判断されやすくなります 。
預金だけでなく、保険や有価証券(株、投資信託、国債など)も名義にズレがあると税金の扱いが複雑になります。
生命保険は、「誰が保険料を払って、誰が受け取るか」によってかかる税金の種類(相続税・贈与税・所得税)がガラリと変わります 。
例えば、契約者を子どもにし、被保険者(対象となる人)を子ども自身にして、親が保険料を支払っていたとします 。この状態で親が亡くなった場合、まだ子どもは生きているので保険金は出ません 。しかし、実質的に親が支払っていた「保険を解約すれば戻ってくるお金(解約返戻金相当額)」を引き継いだとして、相続財産に含めて相続税の申告が必要になります 。
契約の途中で親から子どもに契約者の名義を変更すること自体には、その時点で税金はかかりません 。 しかし、変更した後に子どもがその保険を解約して「解約返戻金」を受け取ったり、満期を迎えてお金を受け取ったりしたときには、その時点で「これまでの保険料を払ってくれていた親から、子どもへのプレゼント(贈与)」とみなされ、高額な贈与税がかかることになります 。
株式や投資信託、国債なども実質的な持ち主が誰かで判断されます。特にお父様やお祖父様がご自身で会社を経営されていた場合、「名義株(めいぎかぶ)」が残っているケースがよくあります 。
平成2年(1990年)より前のルールでは、株式会社を作るために「7人以上の株主(発起人)」が必要でした 。そのため、実際のお金は社長一人がすべて出したにもかかわらず、人数を揃えるために家族や従業員から「名前だけを借りて」株主名簿に載せていた、という歴史的な背景があるためです 。これも相続のときには「すべて亡くなった社長の株」として相続税の対象になります 。
家族を応援したいという優しい気持ちから生まれた預金や保険、株式。 しかし、ちょっとした手続きや管理の不備のせいで、将来家族が税務署から責められたり、親族同士で揉めてしまったりするのは悲しいですよね 。
「うちのこの口座は名義預金になってしまうのかな?」「どうやって整理すれば一番おトクになる?」と少しでも不安に思われたら、相続・資産税の経験が豊富な税理士などの専門家へお早めに相談することをおすすめします 。専門家のアドバイスを味方につけて、安心で円満な家族への資産引き継ぎをスタートさせましょう!
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